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...... 2023年09月26日 の日記 ......
■ 超短編小説「猫角家の人々」その19   [ NO. 2023092603-1 ]
超短編小説「猫角家の人々」その19
介護ビジネスの不正請求やら、自動車保険詐欺やらであぶく銭を手に入れてきた小悪人は、生業には戻れなくなる。真面目にコツコツと介護事業をやるという原点など、どこかに置き忘れてしまっている。FXで開けた大穴を糊塗しようと、日々、金策に走り回る。億近い損失を出したなどと、姉の克子にばれたら大騒ぎになる、罵倒されると恐れる蜜子。

ヤクザな街金にも手を出す。こうなってくると、起死回生、大逆転のホームランを打たなければ、事態を打開できない。方々から借りた金で、またまた、FXの相場を張る。レバレッジ取引で張れるだけ最大限張る。こういう時に限って、損をする。大きく張るので、損失も大きい。傷口が広がるだけの結果となる。

この世の中には、詐欺行為でしか生きられない人種が存在する。詐欺で容易に金儲けができると知った輩は、目の前に詐欺のネタが転がっていると、どうしても詐欺行為を働かないと我慢できない衝動に駆られる。金額の多寡は関わりがない。少額でも騙せると分かっているのに騙さないのは「義務違反」のように感じてしまうのだ。結果、人生の主たるテーマが詐欺行為となってしまうのだ。日々、朝から晩まで、人を騙すことしか考えなくなる。62歳の婆さんが、38歳を偽装して、資産家から7億円を集めた事件が注目を浴びている。詐欺しかできない病気なのである。

蜜子は、FXは諦めた。詐欺商売で一発逆転を狙うしかない。痴呆の婆さんをぶっ殺して財産を没収し、保険金を掛けて金に換えるしかない。では、どうやって?やっぱり、成年後見人制度を悪用するしかない。ああ、時間がない。すぐにやらないと。それにしても、どうやって、カモを見つけるのか?カモを見つけるのが先決じゃないのか?

成年後見人制度の黎明期、後見人となったのは、親族が多かった。司法書士や弁護士も後見人となったが。蜜子は残念ながら、そのどれにも該当しない。だが、一部の「介護士」が後見人として認められるケースは少ないがあったのだ。当時の「介護士」の資格審査は、かなりいい加減であり、蜜子もそれほど困難なく取得することができた。

カモの老人を見つけ、うまく立ち回って、成年後見人となり、財産を勝手に処分する。これしかない。だが、婆さんはどうする?財産を処分したのがばれるとまずいから、早々にくたばってもらった方があり難い。だが、最近の老人は堅牢だ。なかなか死なない。だったら、死んでいただくしかない。死んでしまえば、財産がどう処分されたかなど、詮索する向きもなくなる。それに、大手を振って財産を取り込む作業に就ける。(続く)観音懺法

我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴 従身語意之所生 一切我今皆懺悔

無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇我今見聞得受持 願解如来真実義

世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音
具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
仮使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住
或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心
或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊
或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱
呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人
或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害
若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無辺方
玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋声自回去
雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
具足神通力 広修智方便 十方諸国土 無刹不現身
種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅
真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観 浄願常譫仰
無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間
悲体戒雷震 慈意妙大雲 澍甘露法雨 滅除煩悩燄
諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念
念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼
爾時 持地菩薩 即従座起 前白仏言
世尊 若有衆生 聞是観世音菩薩品 自在之業 普門示現 神通力者 当知是人 功徳不少
仏説是普門品時 衆中八万四千衆生 皆発無等等 阿耨多羅三藐三菩提心

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