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...... 2023年09月28日 の日記 ......
■ 超短編小説「猫角家の人々」その29   [ NO. 2023092802-1 ]
超短編小説「猫角家の人々」その29
カモを見つけるのに最適な「場」がある。

某巨大カルト宗教は、宗教団体というよりも「自分の不遇を嘆いて、お互いに傷をなめ合い、慰め合う」互助団体のようなものである。

毎回、自分の家庭の不遇な話、家庭不和など、複数の信者の前でご披露して、お互いを慰め合う。やっと話を聞いてくれる人たちが見つかったと、教祖の田池センセイに感謝する。

巨大カルトに営利目的で入り込んだ介護詐欺分野のマーケティング部員は、そういった内訳話に耳をそばだてる。財産をどのくらい持っているか、親族の構成は?ぶっ殺して金に換えられる爺さん婆さん、邪魔な旦那はいないか?そして、親族に「分け前」を保証することで、保険金詐欺に協力させる。結果、保険金詐欺の犠牲者の多くが、S禍学会の信者ということになってしまう。

S禍学会の中年女性信者には、配偶者が突然死するケースが異常に多いという。そして、配偶者の死後、立派な新築の家が建つ。娘も息子もろくに働かない。勿論、無教養、無学歴、無資格だから、働いてもろくな収入にはならないのだが。大概が、なぜか、足立区に住んでいる。しかし、なぜか、裕福な生活をしている。

30過ぎの娘は、統合失調症を患い、日々、薬漬けの生活だ。20代初めの頃は、キャバクラ勤めでブイブイ言わせていた。結婚はしたが、自分の薬物依存症で別れた。覚醒剤にも手を出した。別れた夫との間にできた娘を一人抱えているが、統合失調症の診断を貰って、生活保護を受けている。実家の近くにマンションを借りて、娘と一緒に住んでいる。生活保護は、親族と別居していないともらえないからだ。

母親は、勿論、水商売上がりだ。40ちょっと前くらいまでは、派手なヒラヒラドレスで、男の目を幻惑した。二度結婚したが、二度とも夫と死別した。死別する度に、なぜか、リッチになったが。二度目の結婚で出来た次女は、優しく大人しい性格だ。横暴で一方的な長女による圧制によく耐えている。長女は、父親の違う次女をことあるごとに攻撃し、暴言を吐く。だが、温和な次女は、同じ母親の子宮から生まれた長女には逆らえない。堪えるしかない。母親は、いつ爆発するかわからないシャブ中の長女を腫れ物に触るような思いで接している。だから、次女の極限的な思いなど、気にかける余裕はない。まだ、20代前半の次女の行く末が心配だ。地獄のS禍家族から離脱できる日が来ることを願っている。

一端、裏社会の稼業の恩恵を受けると、裏社会から、他の仕事を仰せつかる。シャブを分けてもらっている関係で、裏社会の依頼には答えるしかない。ジャーナリストKへの妨害工作、ハニトラ工作に起用されたのは、随分と昔のことだった。だが、ほどなくして、Kにシャブや保険金詐欺を見破られて、派手な母子は、Kの前から、こそこそと逃亡していったのである。(続く)観音懺法
我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴 従身語意之所生 一切我今皆懺悔

無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来真実義

世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音
具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
仮使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住
或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心
或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊
或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱
呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人
或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害
若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無辺方
玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋声自回去
雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
具足神通力 広修智方便 十方諸国土 無刹不現身
種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅
真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観 浄願常譫仰
無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間
悲体戒雷震 慈意妙大雲 澍甘露法雨 滅除煩悩燄
諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念
念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼
爾時 持地菩薩 即従座起 前白仏言
世尊 若有衆生 聞是観世音菩薩品 自在之業 普門示現 神通力者 当知是人 功徳不少
仏説是普門品時 衆中八万四千衆生 皆発無等等 阿耨多羅三藐三菩提心

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