超短編小説「猫角家の人々」その42 無法松先生をシャブの世界に引き込んだ功労者、指圧師、霊図美杏は、朝鮮悪組織のメイン・プレーヤーのひとりである。手技を駆使して、女性ターゲットを篭絡する役割だが、それだけではない。「カモ」を物色し現地調査で、「カモ度」を測る重要な役割を演じている。その手口が「お迎えに参ります」という宣伝文句だ。指圧を希望する顧客には、自宅まで迎えに行くサービスを提供するという。そんなことをしていたら、採算が合わなくなるように思えるが。随分と親切に聞こえるが、実は、その行為には悪意が付随する。
顧客の「金持ち度」は、自宅を見ればわかる。迎えに行って、言葉巧みに上がり込み、家の内部を観察して上等な「カモ」なのかどうか判断する材料とするのだ。「美味しい客だ」と推測できれば、仲間内の四つの葉弁護士法人が、資産の内容を調べる。処分できそうな資産があると分かれば、強奪大作戦の開始だ。
カモは、必ずしも、痴呆老人でなくてもいい。「病気を心配する老人」でもいい。「あのね、足裏を揉んでいると、人の持っている病気って、大体わかるのよ。」霊図美杏は、ターゲットと定めた72歳のカモ婆さんに囁く。「もしかしたら、大病かもしれないから、お医者さんに診てもらった方がいいわ。」と心配そうに、憂い顔で伝える。お婆ちゃんは、心配になって、霊図美杏に紹介されたクリニックに行ってみることにする。霊図美杏は、親切にもクリニックまで車で連れていってくる。しかも、診察に同席までしてくれる。簡単な血液検査、レントゲンの後、医師はシンプルにつげる。「子宮癌ですね。末期です。手術はできないでしょう。ウチでは、従来の癌治療とは違う最新の治療法をやっています。試してみませんか?まだまだ、なおるチャンスはありますよ。但し、保険は効きませんが。」医師は、お婆ちゃんの手を握って、笑顔を浮かべながら優しそうに伝える。
霊図美杏は芹沢鴨お婆ちゃん、72歳に囁く。「ねえ、このお医者さんの判断だけじゃ、わからないわよ。誤診かもしれないし。別のお医者さんにも聞いてみましょうよ。」落胆したお婆ちゃんを励まし、翌日、別のクリニックに連れていく。まるで、この資産家のお婆ちゃんの専属のようだ。別の医師は、面倒くさそうに告げる。「子宮がん。末期。手術はできない。どうしますか?」ぶっきらぼうにそう伝える医師の目は冷たく光っている。嫌な奴だ。勿論、この医師も昨日の医師も、朝鮮悪組織のメンバーだ。傷心のお婆ちゃんは、「昨日のお医者さんは信用出来るわ。あそこで、治療を受けるわ。」そう思わせるために、わざわざ、冷血医師Bは起用されたのだ。
医師Aの謳い文句は、「従来の癌治療ではない新たな独自の免疫療法」だ。「ナントカ酵素」の類を患者に飲ませる。ただし、保険が効かない。だから、高額治療となる。つまり、保険外治療の費用を払える資産家だけを「癌」にするのだ。実際は、癌でも何でもない、健康体の患者さんを。(続く)観音懺法 我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴 従身語意之所生 一切我今皆懺悔
無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来真実義
世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音 具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所 弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願 我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦 仮使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池 或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没 或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住 或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛 或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心 或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊 或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱 呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人 或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害 若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無辺方 玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋声自回去 雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散 衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦 具足神通力 広修智方便 十方諸国土 無刹不現身 種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅 真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観 浄願常譫仰 無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間 悲体戒雷震 慈意妙大雲 澍甘露法雨 滅除煩悩燄 諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散 妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念 念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙 具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼 爾時 持地菩薩 即従座起 前白仏言 世尊 若有衆生 聞是観世音菩薩品 自在之業 普門示現 神通力者 当知是人 功徳不少 仏説是普門品時 衆中八万四千衆生 皆発無等等 阿耨多羅三藐三菩提心 |
|