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...... 2023年09月27日 の日記 ......
■ 超短編小説「猫角家の人々」その26   [ NO. 2023092704-1 ]
超短編小説「猫角家の人々」その26
真っ黒は、その裏社会工作員の古株であるクラックから、覚醒剤を調達した。そして、それを契機にクラックを介して、晴れて、日本の裏社会へとリクルートされたのである。人間のクズの仲間入り、おめでとう、真っ黒君。真っ黒君は、クラックたちも、他の数多の工作員たちも….誰一人できなかったジャーナリストKの口封じを、組織から命じられ、クスリの勢いのおかげで、「俺だったらできる」と錯覚して、本気になっていく。組織の約束した成功報酬は、真っ黒君のやる気を倍増させたのだ。必要経費の支給も魅力だ。シャブは、当面、無償支給だというではないか。凄い好待遇だ。

だが、シャブを打とうが何を打とうが、うまくいかないことはうまくいかない。Kの口封じなど、全く、実現しない。真っ黒には、次第にKの口封じなど、工作の目的ではなくなってくる。要するに、裏社会の自分への評価を高くすれば、報酬もシャブ支給も増えるのだ。だから、自分たちの功績を派手に印象付けるために、パフォーマンスを行う。あたかも「大成功」したかのように、互いに誉めそやすのだ。「これで、今月のシャブ代は確保した….」と、一息つくのだ。幹部もさらに上層部に報告するのに、誇大な戦果を強調する。叱責を受けないために、大袈裟に、Kにダメージを与えたと強調する。だが、ダメージを与えたなら、何故、Kは黙らないのか?最高幹部は、自分の進退問題となってきたKの存在に、頭を抱える。「アイゴー」と無意識のうちにため息が出る。

中級幹部が懐に持つ手駒は、クラックや真っ黒だけではない。猫角姉妹の自動車保険詐欺を手伝ってきたホース・エイジ自動車修理工場の中華麺社長もまた、同じ、裏社会工作員リングのメンバーなのだ。そして、猫角姉妹は、中華麺社長との交流を通じて、この後、裏社会の様々なメンバーと遭遇することになるのだ。詐欺や人殺しを貫徹するに必要な人材が、裏社会の手で見事に準備されていたのである。

現実論だが、10年以上前にクラックたちがやろうとして失敗した、Kの口封じを、真っ黒風情にできるわけがない。その試みは、惨めな失敗に終わる。それどころか、組織の構成員が次々と暴かれ、ジャンキー集団、保険金殺人集団の全容が表に出てしまう。組織は、ジャーナリストKを潰そうとして、潰すどころか、組織のはらわたを曝け出してしまったのだ。Kを黙らせる目的で始めたことが、裏社会の全容を自ら露呈するという、とんでもなく間抜けな結果を呼び込んでしまったのである。「馬鹿丸出し」という形容では間に合わないほどの馬鹿さ加減である。裏社会の幹部たちは、互いに責任を擦り付け合い、部下に無理難題を押し付けて右往左往している。だが、もはや、裏社会に出来ることはない。半島の北の方の本国に逃げ帰っても、懲罰の極刑が待っているだけだ。

組織の構成員たちは、これから、覚せい剤取締法違反で5年以上も別荘生活をすることになる。そして、金欲しさに保険金殺人に加担していた馬鹿どもは….天井から吊るされるか、刑務所で人生を終えることになるのだ。(続く)観音懺法
我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴 従身語意之所生 一切我今皆懺悔

無上甚深微妙法 百千万劫難遭遇 我今見聞得受持 願解如来真実義

世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音
具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
仮使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
或在須弥峯 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住
或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心
或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊
或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱
呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人
或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害
若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無辺方
玩蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋声自回去
雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
具足神通力 広修智方便 十方諸国土 無刹不現身
種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅
真観清浄観 広大智慧観 悲観及慈観 浄願常譫仰
無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間
悲体戒雷震 慈意妙大雲 澍甘露法雨 滅除煩悩燄
諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念
念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼
爾時 持地菩薩 即従座起 前白仏言
世尊 若有衆生 聞是観世音菩薩品 自在之業 普門示現 神通力者 当知是人 功徳不少
仏説是普門品時 衆中八万四千衆生 皆発無等等 阿耨多羅三藐三菩提心

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